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のぼり旗を制作する際に必ず登場するパーツのひとつが、「チチ」です。日常の会話では聞き慣れない言葉のため、初めてのぼりを発注する担当者の方から「チチって何?どこに付くの?」「向きを間違えると、どうなる?」といった質問をいただくことがよくあります。
本記事では、不動産会社・建設会社でのぼり発注を担当される方向けに、チチの意味・位置・種類をわかりやすく解説します。初めての方はもちろん、社内マニュアルとしても使える内容ですので、ぜひ制作前の確認にご活用ください。
そもそも「チチ」とは?
のぼり旗の「チチ」とは、ポールを通してのぼり旗を固定するために付けられている輪状のパーツのことです。旗の端に一定間隔で取り付けられており、ここにポールを差し込むことで、屋外でもしっかりと掲出できるようになっています。
一般的には、上部から3〜5か所ほどに配置されており、風にあおられてものぼりが外れにくいよう設計されています。のぼり旗を安全かつ安定して掲げるうえで欠かせない重要な部材です。
なお、「チチ」という名称の語源には諸説あります。“乳付旗(ちつきばた)”に見られる『乳(ち)』や『乳布(ちぎれ)』と呼ばれた部材名が現在の『チチ』へ変化したとする説が最も有力とされています。乳付旗とは、武将が自軍を識別するために掲げていた旗で、布の端に突起状の飾り(乳)が付いていたことが特徴です。また、のぼりに一定間隔で並ぶ形が“乳首のように見える”ことから名付けられたという俗称由来の説もあります。
現在では名称の由来よりも、「チチ=のぼりをポールに固定するための輪状パーツ」として広く認識されており、のぼり旗の基本仕様として欠かせない存在となっています。
チチの位置と種類について
のぼり旗の「チチ」は、ポールを通すための輪状パーツですが、取り付ける位置によって「左チチ」「右チチ」などの名称で呼ばれます。これは、旗のどちら側にチチが縫い付けられているかを示すためのもので、発注時に非常に重要なポイントです。
まずは、チチの位置による種類を整理しておきましょう。
チチの取り付け位置(左チチ・右チチ)
一般的なのは左右いずれかのサイドにチチを縫い付ける形で、用途や設置方向によって選びます。以下に基本的な種類をまとめました。
名称 位置 特徴・用途 左チチ のぼり旗の左辺にチチを配置 最も一般的。ポールが左、旗面が右に広がる構造で、ほとんどの設置環境で自然に見える。 右チチ のぼり旗の右辺にチチを配置 通路の右側に設置したい場合や、建物の左壁に寄せたい場合に適した向き調整用。 チチの位置を誤ると、設置したときにのぼりが裏向きになってしまう可能性があるため、必ず設置場所を想定したうえで選ぶ必要があります。
「左チチ」が一般的とされる理由
のぼり旗では、左チチが標準仕様として広く採用されています。これは、旗の構造と設置環境の両面で自然に見えるためです。
まず、日本では古くから「竿(ポール)を左側に持ち、布が右へ広がる」旗の構造が受け継がれてきました。この伝統的な配置が、のぼり旗にもそのまま反映されています。
また、日本は歩行者も車両も左側通行であるため、通路の左側にのぼりを立てるケースが多く、左チチだと旗面が正面(道路側・歩行者側)に自然と向きやすくなります。こうした歴史的背景と実務上の設置しやすさが重なり、現在でも左チチが最も一般的になっています。
ただし、右側の通路に設置する場合や建物のレイアウトの関係で向きを変える必要がある場合は、右チチを選ぶケースもあります。設置場所の動線を考慮して選ぶことで、視認性の高いのぼりに仕上がります。
チチの個数と間隔はどう決まる?
現代の一般的なのぼり旗(W600×H1800mm)では、上辺に3か所・左辺に4〜5か所のチチを配置する仕様が主流です。上部は横棒をしっかり固定するために3つのチチを付け、左辺は縦方向に均等に配置することで布のバタつきを抑え、のぼりが安定して掲出できる構造になっています。
チチの数は多ければ良いというものではなく、以下の点を考慮して最適な数に設計されています。
- 風によるバタつきの抑制(強度確保)
- 生地の耐久性のバランス
- 既製ポールとの相性(一般的なポールの長さ・段数に合わせた位置)
特別な理由がない限り、既製の「上3+左4〜5」という標準仕様で十分に安定性が確保されるため、そのままの仕様で問題ありません。
チチの色は「白」が基本
チチの色は、一般的なのぼり旗では「白」が使われることがほとんどです。これは、次のような理由によるものです。
- どんなデザインにも馴染みやすい
- 汚れが比較的目立ちにくい
- 標準色として広く流通しており、安定した品質で提供できる
そのため、多くの場合は白いチチが標準仕様になっています。のぼり全体のデザインとチチの色を合わせる必要はさほどありませんので、特別に気にする必要はありません。
のぼり製作事例ご紹介
ここからは、実際に「左チチ仕様」ののぼりをご採用いただいたお客様事例をご紹介します。設置シーンを見ることで、チチ位置による向きの違いや見え方のイメージがさらに掴みやすくなります。
(株)日建ホームズ様の事例
(株)日建ホームズ様より、オリジナルデザインののぼりをご依頼いただいた際の設置写真です。道路沿いに複数本を等間隔で並べたことで、遠くからでも視認しやすく、ブランドイメージが統一された印象的なラインが形成されています。
こちらののぼりは、普通幅サイズ(W600×H1800mm)です。受賞内容を強調した縦組みレイアウトが遠距離からでも読みやすく、店舗前や駐車場での視認性向上に役立つデザインとなっています。
(株)東都ハイム様の事例
(株)東都ハイム様には、細幅サイズ(450×1800mm)で当サイトのデザインテンプレートを使用した分譲中を周知するのぼりをご採用いただきました。ブルーの養生シートが続く現場の中で、赤いのぼりがしっかり際立ち、通行中の方へ訴求しやすい視認性の高い仕上がりになっています。
細幅タイプは、施工中の仮囲いや狭いスペースでも設置しやすく、現場の状況に合わせて柔軟に活用できるのが特長です。デザインテンプレート(nbsi02)の縦型レイアウトが現場導線にマッチし、情報がシンプルに伝わる仕様となっています。
アルファ・アセットマネジメント(株)様の事例
アルファ・アセットマネジメント(株)様には、デザインテンプレート(ntprph04)を活用した普通幅サイズ(600×1800mm)ののぼりをご採用いただきました。路面から直接見えない「ビル上階の店舗」であるため、のぼりの持つ “視認性の高さ” が大きく活躍しています。
実際の設置写真では、歩行者・ドライバーのどちらにも見えやすい位置にレイアウトされており、落ち着いたブラウン基調のデザインが街並みに馴染みつつもしっかりと情報を届ける印象的な仕上がりとなっています。特に【当ビル7階】という案内が明確に伝わるため、目的地まで迷わず誘導できる効果的なのぼりです。
まとめ
のぼり旗に欠かせない「チチ」は、小さなパーツでありながら、掲出の安定性や見え方に大きく関わる重要な要素です。取り付け位置(左チチ・右チチ)、チチの個数、配置間隔といった基本仕様を理解しておくことで、初めての方でも迷わずスムーズに発注できます。
特に、左右のチチ位置は設置方向によって適切な選び方が異なるため、現場の動線や見せたい方向を踏まえて決めることが大切です。また、事例でご紹介したように、実際の設置シーンを見ることで「どの向きでどのように見えるのか」がより具体的にイメージしやすくなります。
チチの理解が深まると、のぼり全体の完成度や訴求力もぐっと高まります。これからのぼりを制作される際は、本記事の内容を参考に、自社にとって最適な仕様をご検討ください。もし仕様の選び方に迷う場合は、どうぞお気軽に当社へご相談ください。
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